発音指導において留意すべきこと
基本は「習うより慣れろ」
例えば発音記号を一つ一つ指導することも必要ですが、ある程度多くの英語に触れないと始まらない部分はあります。基本的には「習うより慣れろ」というスタンスでたくさん発声させ、適切なタイミングで具体的に発音のしかたを指導する、という心構えでいるべきです。
同じテキストを30回音読する
扱う教材はふつうの教科書で十分です。ただ、同じテキストを何度も何度も、大げさでなく30回ぐらい音読練習するように持っていくべきであります。
高校生であれば、反復練習の部分は自分でやってもらわないと困ります。中学生のうちに、自立した音読学習を身につけてもらわなければなりません。
したがって中学生の音読練習は、基本的には授業の中で多くの時間を割いて、ある程度手とり足取りやるべきです。Repeat → Overlapping → 耳だけでRepeat → Shadowing というふうに活動を発展させながら、同じテキストを何度も何度も音読させます。
その際、すべての音読活動において、生徒が発音しにくそうにしているところを取り出して、何度もしつこく練習するようにします。これも、自分で音読練習する際にとても大事な方法論です。
Overlapping の中では折に触れて、音の連結や弱形について指導するとよいです。
音の連結(Did you が "ディジュ―"になるとか)や弱形(of が"ァ"になるとか)は、リスニングにもつながる重要な要素です。
でも指導は簡単で、CDの音声を聞いて音がつながっているところ、明らかに強形とは異なる音で発音されているところを指摘して、CDの真似をさせるだけです。
たったそれだけのことをやるかやらないかで、学習効果に圧倒的な差が出てきます。
中学1年生の最初にフォニックスをガッツリやる
文字と音の関係が複雑なのが、英語の難しいところでしょう。
英語学習の最初にしっかり意識させ、理論と実践のバランスをとりながら発音を練習させていくことが大切になってきます。
各アルファベットの基本的なフォニックス(aは/æ/とか)、2文字組み合わせた時のフォニックス(thは/θ/とか)、基本から外れるフォニックス(cは/k/だけじゃなくて/s/にもなるとか)、という順序で、細かいところまで指導します。最初が肝心です。
そういえば、小学校ではフォニックスを教えることになっているのでしょうか?
サイレントe
文字と音の関係ということでは、サイレントeについても中学1年生のときに指導するべきです。cake の場合 a をアルファベット読みし、e は発音しないというアレです。
発音記号を使った指導
高校1年生ぐらいのときに、発音記号についてまとめて指導します。発音・アクセントのコーナーがある参考書を活用すれば、指導するのはかんたんです。少し時間はかかるかもしれませんが、発音記号に少しでも親しみを持てれば、その後の発音、ひいては単語学習の能率が上がります。やはり高校1年生の時に一度仕上げておきたいですね。
発音記号を使って具体的に指導する際に困りがちなポイントを、次回、まとめたいと思います。