不定詞の形容詞的用法の整理
不定詞が大好きみたいになってしまいますが、以前から気になっていたので。
名詞を修飾する表現として、不定詞の他に関係代名詞と分詞がありますが、どのように使い分けるのかがいまいち私の中で整理できていませんでした。特に英作文を書いている時に、使い分けに困ったことがある人は結構いるんじゃないでしょうか。
私なりにいろいろ調べて考えた結果の、私なりの結論を書きます。
修飾される名詞と不定詞形容詞的用法の関係は、OVもしくは同格が基本。
SVになる場合は、関係代名詞または分詞を用いるのが基本。
しかし例外があるので、それに注意する。
というふうに整理しておくとよいです。
I would like something to drink. somethingとdrinkの関係はOV
I have no time to worry about such things. timeとworry以下の関係は同格
このような関係であれば、不定詞を使う。
逆に、
I know the man who lives (living) in this house. manとliveの関係はSVなので、関係代名詞か分詞を使う。不定詞は使わない。
I know the man to live in this house. に強い違和感を覚えるのは私だけではないはずです。
これが基本。これだけでよいのです。
しかし、以下のような文が混乱を生じさせます。
He was the first man to land on the moon.
I have no friends to help me.
これらの文はSVの関係を作るにもかかわらず、この形で見たことがあると思います。
次のように関係代名詞を使っても正しく表せます。
He was the first man who landed on the moon.
I have no friends who (will) help me.
違和感ないですよね。だから、さっきの基本パターンを押さえておけば、大丈夫です。しかしせっかくなので、なぜこれらの場合は不定詞もアリなのか、ということを考察します。
ずばり、
(1) He is the last man to tell a lie. のように、last や first など最上級、序数などが前置修飾する名詞を修飾する場合、不定詞「も」使える。
(2) She needs a good teacher to support her. のように、関係代名詞で書きかえるとしたら be to do ~ で表すことが望ましい場合、不定詞「も」使える。
(1) に関しては、かなり定型的な表現です。ほとんどの人が、これの派生パターンをいくつも見たことがあるはずです。定型的であるがゆえに、細かいことを気にせずに、名詞を後置修飾する表現ならなんでもよい、となったと考えられます。
(2) に関しては、不定詞の”未来志向”のニュアンスを込めたいがために、不定詞を使うことができるのではないでしょうか。言いかえれば、be to 構文 が表す5つの意味合い(予定・義務・意志・可能・運命)のうちのどれかを込めたい時には、不定詞を使うことができるのではないでしょうか。
「私をこれから手伝ってくれる、手伝うことが可能な、手伝う意志のある、そんな友達が私にはいません。」ということを言いたい時に、
I have no friends to help me. (= I have no friends who are to help me.)
「彼女には彼女をこれから支える、自身の義務として彼女を支える、彼女を支えることが運命であるような、そんな良い先生が必要だ。」ということを言いたい時に、
She needs a good teacher to support her. (= She needs a good teacher who is to support her.)
という表現をすることができるのです。( )の中の文から who are または who is を省略した表現ととらえることもできましょう。
何はともあれ、(1) と (2) に関しては例外であります。しかも、基本パターンにしたがって関係代名詞か分詞で表現してもまったく問題ありません。基本パターンを以下に繰り返します。
修飾される名詞と不定詞形容詞的用法の関係は、OVもしくは同格が基本。
SVになる場合は、関係代名詞または分詞を用いるのが基本。
これでバッチリです。