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ずっとトイザらスキッズな、ある英語教師のブログ

小中高大9月新年度への移行を考える

この議論、少し前から盛り上がっているようですね。

私としては、小中高大がいっせいに9月新年度体制へ移行することに賛成です。

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小中高大9月新年度のメリット

1.コロナによる悪影響を少なくできる。

 すでに子どもたちにとってかけがえのない時間が奪われています。仮に5月に学校を再開できたとしても、できる教育活動は感染予防に配慮しながらの、かなり限定的なものです。そして失われた時間を無理に取り戻そうとすれば、この状況の中で「つめこみ教育」をやることになってしまいます。

 数か月を移行期間と割り切り、オンラインを含めて、登校ができない状態にも対応できるような体制を整えるのです。9月から今まで通り、とはいかないでしょうが、「失われた半年」を「付与された半年」に変えることはできます。

 また、未来に先行きが見えてくると、子どもや保護者は安心できるのではないでしょうか。精神的に余裕ができれば、今のこの時間に意味を与えることも少しは容易になるはずです。

2.特に大学において、留学など海外との交流が容易に。

3.わかりやすい2期制となり、酷暑の8月と厳冬の2月に長期休暇を設定できる。

4.入試が6~7月の実施となり、雪やインフルエンザの季節を避けられる。

 2~4については、以前からよく言われていることですね。

小中高大9月新年度のデメリット

1.いろいろめんどくさい。

2.学年分けの基準が変わる。

3.例えば「桜の季節の別れと出会い」的な情緒的伝統が失われる。

4.大学卒業後の半年が「ギャップターム」となってしまう。

 

メリットの方が圧倒的に大きいと思うんですよね。

政治家や官僚の方々には、真剣に検討していただきたいです。

 

 さて、デメリットの4.大学卒業後の半年が「ギャップターム」となってしまう。について。

 「ギャップイヤー」とは元々、「高校卒業後、大学入学前に1年間休学して、自分探し的なことをする」というものです。留学やワーホリ、ボランティアなどを経験できたり、大学で何をすべきかをじっくり考えてから大学生活をスタートできるというメリットがあり、イギリスなどではこれを選ぶ学生がそこそこいるみたいです。

 小中高大でいっせいに9月入学8月卒業にすると、学校卒業後に半年間の「ギャップターム」が生まれます。ただし企業・社会全体も9月新年度にすれば、今のシステムをそのままスライドすることができます。それも1つの選択肢かもしれません。

 

 しかし、あえて企業・社会の会計年度は4月のままにして、学校の卒業後に猶予期間を設けるほうがよいと私は思うのです。

 留学やインターンなどは、いつやっても良い経験になると思います。

 そして、就職活動は学校を卒業した後、というのがあたりまえの社会になれば、学生は在学中勉強に集中できます。また、雇用の流動化につながり、新卒一括採用というばかげたしくみを壊す一つのきっかけになることも期待できます。

 

何はともあれ、ピンチをチャンスに変えていかねばなりませんね。